車の運転を始めて 一年弱のある日。
運転自体はすきだけれど、まだ自分の運転に自信が持てないと思いながらも 自分以外の人間を乗せたら「怖い。安心して乗れない。」と言われた。
私は割りにスピードを出すのがすきで、早く目的地に着きたいと思って運転をしているが初心者だからとセーブして運転しているつもりだった。
もっとスピードを出している人もいるのに!と言えば、安定感が違うと言う。
どこか飲み込みきれない気持ちのまま、アクセルは踏み続けた。
スピードを緩めて運転ばかりしていたら、いつまでたっても上手くなれないじゃないかと。
同乗者たちの表情は固いままだった。
目的地に着いて帰りの運転。
何となく リラックスして欲しいよな、やはり。とも思い ゆっくり目の一定速度で走り続けた。
私自身もちょっと眠気が来るから休もうか とフト周りを見ると、皆が寝ていた。
何だかその瞬間、やった!と思った。
早く上手くなること スピードを操れること そんな自分のことばかり考えていた時は気づかなかったけれど、きっと私の思う上手な運転に 同乗者も安心出来る と言うのは欠けていた。
(ちなみに、帰りの運転の方が結果的に楽で、休憩が少なかった為か早かった。)
思いやりを持つこと、自分の小さな意地やエゴ(早く上手くなりたいという様な)持たないこと。
スピードがゆっくりだったり、目的地に着くのに時間がかかる事=下手、なのでは決してない と気づいた。
むしろ 本当に上手な、スピードも操れる運転手になろうと思う。
(もちろんルールやマナーは守った上で!)
何となく何かに焦ったり、急ぎそうになった時 時々この日の事を思い出す。