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叫ぶ声が

‘2011年01月29日’

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電車で乗り合わせた男の子とその若いお母さん。
おばあさん 私。
電車到着と共に席を立った母子。
抱かれた坊やの黒いちいさなブーツを、座席の下に見つけたおばあさんが 慌てて叫ぶが 声がかすれて聞こえない。
私が代わりに「赤ちゃんの靴!」と乗車口で叫ぶと 階段を降りようとしていたお母さんが気づいてギリギリ靴を渡せて扉は閉まった。
おばあさんと顔を見合せ にっこり笑い合ってそれぞれの席に戻った。
支援は、きっと特別なことでも才能でもない。
大きな力を振り絞る時もあれば 小さくても的確であればそれは誰かを助け 自分もあたたかくするだろう。
自分の、叫ぶ声の大きさだけで 何かの役に立てたこと。
短いあたたかい 一瞬の出来事。
せかいは気づきにあふれている。

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