広島市の真ん中近くに、日本国内でも珍しい大きさを誇るパイプオルガンの併設された教会がある。
友人に素敵な場所だと教えられ、立ち寄った。
被爆のたった5年後に着工、1954年8月6日に完成された。
建築家 村野藤吾氏の指揮のもと、世界各地からの寄贈品 援助など たくさんの祈りから出来ている。
こじんまりとしたこの教会のステンドグラスのモチーフは、世界的にも珍しいという松竹梅。
当時の神父さんの1人にキリスト教と併せて禅を学んでいた方がいたそうで、その方のご尽力により 類い稀なこの教会は認可された。
禅のなかで、
松 通年青々としている
竹 いつまでも どこまでも真っ直ぐ
梅 冬の厳しい寒さの下につぼみをふくらませ、やがて美しい花を咲かす
そんな意味があるそう。
教会の敷地内にあるドームのてっぺんには不死鳥がいたり、復興を諦めない気持ち 強くて優しい願いにあふれている。
私が1番心打たれたのは、中二階 ステンドグラスの裏のちょっとしたコーナーで、
ここは 外のひかりを一旦取り込み、柔らかくする場所。
その遊び場を通過させることで教会内に射し込むひかりは1段階トーンが下がる。
つまり、来館者の祈りの場として神聖な空間を 静かな 落ち着いた空間にしようという設計士の意図である。
そんなにも細やかなやさしさに満ちたデザインをし それを支えた沢山の想いに本当に胸打たれた。
毎週日曜日夕方より パイプオルガンのミサが公開演奏されるそう。
またゆっくりと 訪れてみようと思う。